<あらすじ>
舞台はスペイン、マドリッド。ダメ夫と思春期の娘を支えるたくましい主婦ライムンダ。
ある日、事故で娘が夫を殺害してしまう。夫の死体を隠すため必死になっているライムンダの元に、叔母が亡くなった知らせが…。その頃帰郷したライムンダの姉、ソーレは死んだはずの母親が生きているという噂を耳にし、物語は思わぬ方向へ進む…。
スペインの鬼才ペドロ・アルモドバル監督、ペネロペ・クルス主演。
【公開】 2006年
【時間】 120分
<評価:★★★★ 4点>
この映画を見た時に、ペネロペ・クルスの存在感に圧倒された。綺麗なだけの女優ではなく、女性としてのたくましさを兼ね備えた魅力的な女優だ。
物語はサスペンス的な要素が満載でハラハラするが、主人公の過去と母親との関係の複雑さに心打たれる。映画の途中で、ライムンダが歌う「ボルベール」という曲の哀愁に満ちたメロディーとライムンダの表情は必見!!離れてしまった故郷や自分の原点ともいえる場所を思い出しながら見てほしい名シーンだ。
そしてアルモドバル作品には欠かせない“色彩”。DVDのジャケットにも見られるように、この映画の色は?と聞かれたら「赤」。赤は情熱的な色であったり、血の色であったり…しかし太陽の色でもある。真っ赤な太陽のようなライムンダからパワーを与えられる、そんな作品だ。