<あらすじ>
1963年、刑務所の強制労働を逃れるため、精神病者を装い精神病院に収容されてきたマクマーフィ。薬で抑圧されている患者たち、冷酷な看護婦長…マクマーフィはそんなことはお構いなし!とばかりに大暴れ。「時期がくればここから出られるんだから…」しかしそれは甘かった…。再び脱走計画を立てたマクマーフィだったが、事態は思わぬ方向に…。
【公開】 1975年
【時間】 133分
<評価 ★★★★★ 5>
映画を選ぶ時に一番重要視するのは、やはりストーリー。しかしあらすじを読むだけでこの映画を見たい!と思う人は何人いるだろうか…!?大雑把に言ってしまえば、精神病院からの脱出計画を試みるも失敗してしまう男の話。…だが、この物語はもっと奥深い!!
設定は今から約50年ほど前の話なので現代では考えられないことも多々あると思いがちだが、実際は今もこんな状況はどこにでもあるのではないか?と思ってしまう。
精神病院内の環境は、数々の規則があり、怖い看護婦長に監視され、好きなことも発言もできない状態。しかし驚きなのが、ここにいる大半の人間が志願して入ってきたということ。主人公のマクマーフィーは精神病者と偽って入院してきたために、その状況に驚愕する。「もっと自由な世界があるの…」と。
この決まりきった環境や押さえつけられた状況は、どこかで見たことがないだろうか…そう、まさに現在の社会そのもの!映画の中の精神病院はひとつの社会なのだと思った。個人的には、この物語の登場人物に善人と悪人の区別はつけれない。なぜならば、社会の中には必ず上下関係が存在する。各々に役割があり、よくも悪くもその中で切磋琢磨し社会の一員になれると思うからだ。しかし最終的に人間の心を抑制するのもが、薬や機械だというところをみるとちょっとゾっとする。
ぜひ一度はみてほしい社会派映画のひとつだ。