<あらすじ>
南米エルサルバドルで起こった内戦を描いた実話。12歳で徴兵されるこの国で、政府軍対反政府軍の戦いが激化。もうすぐ12歳を迎える主人公のチャドは、アメリカに逃亡した父の代わりに家族を支える少年。子ども時代の友情や淡い恋、これから楽しいことをたくさん経験するであろう時に、戦争の間の手はチャドのすぐそこまで忍び寄っていた…。
脚本を手がけたオスカー・トレスの実体験を元に描かれた作品。
【公開】 2004年
【時間】 112分
<評価 ★★★★★ 5>
戦争を知らない私たちにとっては、今世界で何が起こっているのか?なぜ戦争はなくならないのか?考えてもどうしようもない問題として片付けてしまいがち。そんな時に見た作品がこちら「イノセント・ボイス」。はっきり言って戦争映画は好きではないが、この作品は違った。
まず「なぜ戦争はなくならないのか?」(※これはあくまでも映画から考えた個人の見解だが…)この映画の主人公チャドは戦争なんかしたくなかった。気の合う友人と遊び、初恋の相手ともっと一緒にいたかった…しかしそれを許さないのは大人たち。一人でも多くの人を見方につけ、一人でも多くの子どもに銃を持たせる。これはある意味洗脳だと思った。純粋な子どもたちに「アイツは悪い奴だ!」と言い聞かせ、殺させる。しかし皮肉にも、今こうして指示をしている大人たちもそうやって子どもから大人になっているというのが現実なのだ。一体誰が悪いのか…?誰のせいにもできないこの状態こそが、戦争がなくならない原因なのではないか?とこの作品を見て思った。
現に今でも世界のあちこちで戦争をしている。この作品を見て「自分とは無関係」と考える人が一人でも減ると、世界は少し変わるのかなぁという期待を込めて星5つ!!!