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息子の部屋

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la stanza del figlio

<あらすじ>

精神科医のジョバンニは妻と子ども2人の4人家族。平凡ながらも幸せな暮らしをしていたが、ある日息子のアンドレアが事故で死んでしまう。残された家族は悲しみに暮れ、ジョバンニは仕事まで失ってしまう。大きな悲しみから、どうやって立ち直るのか…監督・主演のナンニ・モレッティがおくる家族再生の軌跡。

【公開】 2001年

【時間】 99分

 

 

<評価 ★★★★☆ 4.5>

あらすじだけを聞いていると、なんだか眠たくなりそうな作品だなぁと思う。現に、初めて見た時は映画の序盤で寝てしまったから…(笑)

しかしこちらも「輝ける青春」同様に、歳を重ねて改めて見てみるとこの映画の素晴らしさがやっとわかった。(イタリア映画のこういうところが好きな理由かも…!)

最初の印象から言うと、「家族の関係が悪くなっていくシーンがとても長く感じ、再生のきっかけになった彼女が現れてからの展開が早すぎ!」と思った。

しかし今見た感想はこうだ。同じ悲しみを感じいるはずの家族なのに、それぞれの思いがズレてしまい家族の関係を悪くしてしまう。これは近い存在であるからこそ起こりうる状況。しかし全く存在を知らなかった彼女が現れたことにより、自分たち家族が知らなかった息子の姿も発見する。息子の彼女はびっくりするほど冷静で、次のステップに進もうと旅立っていく。そんな“前進してく者”と“いつまで経っても前に進もうとしない者”の象徴的なシーンにグッときた。悲しみの大小ではなく、人間は生きている以上過去の事柄に引きずられて生きてはいけない!そう実感させてくれる作品だ。