<あらすじ>
夫を亡くした主人公のシネは、息子と一緒に故郷で新たなスタートをすることに。そんなシネに一目ぼれをした冴えない男ジョンチャン。息子との生活を第一にしているシネにとって、ジョンチャンはただのいい人にすぎなかった。そんなある日、最愛の息子が誘拐され悲しみに暮れるシネ…そんな彼女の側に優しく寄り添うジョンチャン。シネとジョンチャン、そして誘拐された息子の運命は…
【公開】 2007年
【時間】 147分
<評価 ★★★★☆ 4.5>
この作品に「起承転結」があるかといえば、「結」があきらかにない!!!…ここで多くを語るとネタバレになってしまうのであまり書けないが、大雑把に言うとそういうこと。なので最初から“オチ”がないのなら見たくない!という人には絶対にオススメしない!!!
このDVDのジャケットにも見られるように、この映画は全体的にモヤがかかったような作品(言葉は悪いが…)。しかし唯一言えるのは「人が窮地に立たされた時、はたして何に頼ればいいか?何を信じればいいか!?」というテーマを痛烈に語っている。主人公のシネはなにも悪いことしていないのに、どんどん不幸になっていく。しかしそれは自分自身の問題なのだ。自分が不幸だと思い込んでしまっているために、周りで手を貸してくれる人すら目に入ってこない…。最終的には宗教に辿りつくも、結局神様は手を差し伸べてはくれなかったのだ…。側でずっと見守ってくれているジョンチャンこそが神様なのではないか?と感じた。
この物語に“終わり”をつけ加えるとしたら、どういうエンディングにするだろうか…と考えさせられる作品である。